2012年3月20日 (火)

田中康夫が抉る定見なき「震災復興」の闇!12/03/17

田中康夫が抉る定見なき「震災復興」の闇!12/03/17

すばらしい内容なので、パネルとコメントを書き起こしました。

パネル1
さらにこの震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています。(天皇陛下)
福島の再生は国の責務。必ず成し遂げる。
周辺住民が帰還を完了し穏やかな暮らしを取り戻すまで原発事故との戦いは終わらない(野田佳彦首相)

パネル2
焼いても流しても消え去らぬ放射能は、無職・無臭・透明で、人間の五感が察知しえぬ厄介な存在です。除染は「移染」に過ぎず、更なる内部被曝の悲劇を生み出します。「フクシマ」原発周辺は「放射能に占領された領土」と冷静・冷徹に認識し、愛着を抱く郷里から離れる当該住民には新天地でも住居と職業を補償・提供してこそ、国民の生命と財産を守る「信じられる日本」です。
今回の催しが、本当の隣人愛と国民益とは何か、を一人ひとりが考え、動く機会となりますように。(田中康夫)

パネル3
「どこに市町村ごとに核廃棄物場を持っている国があるのか!」
「国が環境整備しないといけない。国際原子力機関(IAEA)の基本原則で言えば、放射性物質は集中管理をするべきだ」(泉田裕彦・新潟県知事)
「(被災地以外の地域が)受け入れない理屈は通らない」(細野豪志・環境大臣)

パネル4
ガレキの発生量
阪神・淡路大震災 2000万トン
東日本大震災   2300万トン
   岩手県 476万トン
   宮城県 1569万トン
   福島県208万トン
(※阪神・淡路 震災ガレキのリサイクル率50%
        リサイクル量の90%は土地造成)

パネル5
復興を進めるために乗り越えなければならない「壁」がある
2012.2.24 宮城県 石巻市
みんなの力でがれき処理(2012.3.6朝日新聞見開き広告)

新聞記事1
がれき「撤去率」(仮置き場への搬入率)は9割に
住宅地からの撤去(仮置き場への搬入)により復興に弾みがつく(2012.3.5日本経済新聞)

田中康夫氏コメント
高台の造成に使うことができるはずなのに、なぜかそれができない。
これまで産業廃棄物は域内処理を行政指導してきた。

パネル6
瓦礫受け入れ自治体に財政支援
瓦礫処理は日本人の国民性が試される(野田佳彦首相)
自治体焼却場の減価償却費も国が負担
最終処分場の将来的な拡充も国が負担(細野豪志環境相)
30年以内に福島県外で最終処分を法制化(平野達男復興相)
子供の甲状腺再測定の対応は福島県(藤村修官房長官)
(↑原子力安全委員会の見解に基づきいわき市が国に対応を求めた事に対するコメント)

田中康夫氏コメント
国民の生命、国民の財産を守るのは国家の基本。
チェルノブイリは数十年たっても周囲20~30kmは立ち入り禁止。
→全ての処分を福島第一の30km県内に。

パネル7
ごみ焼却炉(溶融炉含む)の建設費
ゴミ1トン当たり
日本:5200万円
韓国:2000万円
イギリス:1600万円
アメリカ:1500万円
シンガポール:1200万円

田中康夫氏コメント
世界のガス化溶融炉(一箇所数百億円、作るとき80%国税)の70%(1600箇所)が日本にある。
海外の安いごみ焼却炉(シンガポールなど)は日本のメーカーが作っている。
ガス化溶融炉は処理するものに事欠いている。ゴミの減量が進み、人口も減っている。
ガス化溶融炉は24時間ずっと動かし続けなければならない。原発と同じなのではないか。

パネル8
(原子力発電が一定の運転しかできない図、省略)

田中康夫氏コメント
陸前高田の市長が、瓦礫処理専門のプラントを作ったら自分達の雇用にもなると言ったが、国の制度が変わらないので県として独自に(OKを)出せない。
東京都が引き受ける岩手県のゴミは東京電力が99.5%の株式を持っている東京臨海リサイクルパワーという会社が元受けとして参加をしています。

YouTubeリンク先

http://www.youtube.com/watch?v=GdbCLW7TQoI&feature=youtu.be

2012年3月10日 (土)

『成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート 』

『成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート 』

The limits to grouth by Danella H. Meadows

社会の教科書で名前だけは知っていたけれども、恥ずかしながらやっと読みました。読んで、全人類必読書なのではないかと言っても言い過ぎではないように思いました。

ローマクラブ常任委員の方がすばらしい翻訳をなさっており、優れた内容とあいまって非常に分かりやすくなっています。構成は、前半でシミュレーションがどのような前提でなされたものかを説明し、後半でいくつかのケーススタディを紹介するという非常にすっきりしたものです。

落ち着いた文章で説明される次の知見はしかし、衝撃的なものです。

・地球の資源(土地、食料、エネルギー・鉱物資源)には限りがあり、従来どおりの「発展」を志向していると世界的に壊滅的な状況が起きうる。
・限界に達してから問題が明らかになるのに時間がかかるので、顕在化してからでは手遅れになる。
・純粋に技術的な進歩では、問題を先送りにするだけにしかならず、定常的な社会を構築する必要がある。

シミュレーションモデルを使ったシステム工学的なアプローチをしており、もちろんそれによる限界もあるでしょうが、シミュレーションの挙動(から推測される実社会の挙動)の原因がつかみやすい。単純化しすぎているように見えるかもしれないですが、その単純化は検討チームの社会に対する深い洞察に基づいていると感じられ、信頼が置ける。

何度も書かれているが、これは数値を予測するものではなく、どういう傾向があるかを示し、方向を指し示すためのレポートで、当たった外れたという議論自体が的外れといえます。

当然のことながら、40年以上前の本書が書かれてからいろいろなことがなされてきたが、フロン・PCB・環境ホルモンなど以外にはそれほど進展がなかったように感じられ、身が引き締まる思いです。

さて、この書籍の中で、

「技術が急激に変化しうるのに対し、政治的、社会的制度は一般に非常にゆっくりと変化する。さらに、これらの制度は社会の必要を予測して変化することはほとんどなく、その後を追うに過ぎない。」

と書かれているが、今の政治的な状況を見るに全くそのとおりといわざるを得ません。技術的には、火力発電は環境汚染の問題をほぼ解決し二酸化炭素排出量のみが唯一の問題であり、太陽光・熱発電・風力発電・地熱発電など太陽エネルギーを利用した発電技術が実用化段階にあります。一方で原子力発電をめぐる技術課題には半世紀からほとんど全く進歩がなく、技術的な優劣の比較では半世紀前から様変わりしています。

しかし、政治的、社会的な制度が変化できず、原子力発電から手を引くという技術的な見地からは自明に見える判断が下せないのは、この後追いの性質によるものなのでしょうか。

また、原発が致命的な事故を起こすのは、設置されてから数十年経って老朽化してからです。ここにも遅れがあり、この間に沢山の原発が日本に設置されてしまいました。

この書に書かれているような先を見た対応を迫られている中、現前する問題からも目を背け続ける愚かな国家中枢をまずは変えるしかないのでしょう。

2012年2月 4日 (土)

乳及び乳製品の放射性物質に関するパブリックコメント

正式には、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件」という非常に長いものに関するパブリックコメント募集です。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110333&Mode=0

これは、食品などの放射性物質の基準値を現在の500Bq/kg程度から、50~100Bq/kgにするというものです。厳しくすること事態はいいのですが、「冷温停止状態」などと宣言していることからすると、今後はこれを長期的な基準にする可能性があると考えられますが、そういう観点からは非常に高いといわざるを得ません。

私の考える問題点は次の二点です。

1.乳幼児が成人よりも放射能への感受性が高いことを考慮していない。

一般に乳幼児は成人よりも10倍程度放射能への感受性が高いといわれています。今回の変更にあたっての計算の詳細は公表されていませんが、資料の表を見ると、乳幼児よりも若年層のほうが基準が厳しい結果になっており、何か恣意的な前提を置いていることが伺えます。

2.人体内の生物濃縮を考慮していない。

セシウムやストロンチウムなどが怖いのは、人体内の特定の部分、セシウムは筋肉特に心筋(つまり心臓)、ストロンチウムは腎臓に濃縮し、これらの臓器のがんなどの問題を引き起こすことです。一般にこれらの臓器への濃縮は千から一万倍という結果が得られていますが、これを全く考慮しない計算となっています。

これら二つを考慮しない結果が50~100Bq/kgとなっていることを考えると、本来は0.1Bq/kg程度、つまり現存する最も高性能な測定で検出されないことを基準とすべきであることになります。

生態濃縮に関しては、次のアメリカの資料が非常に参考になります。

http://twitpic.com/4xgn8z

http://twitpic.com/4xgnwn

http://twitpic.com/4xhsid

2012年1月28日 (土)

『裸のフクシマ』 たくきよしみつ著

『裸のフクシマ』 たくきよしみつ著

著者の鋭い観察眼・分析力にうらうちされた冷静な記述が説得力を持っています。

特に、第4章の川内村の「一時帰宅ショー」の実情のところは、まさにお役所仕事全開の実情を伝えており、貴重です。おそらく、これと同じことが福島県で各所で繰り広げられているし、これから復興庁が各地に設置されるとさらに助長されそうで恐ろしいです。

さらに、驚くべきなのは、そういう被災地の人々の理不尽な状況を目の当たりにしながら、一切、紙に書いたり電波に乗せたりしない新聞・テレビ関係者の態度です。

チャップリンの格言"Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot." 「人生は近くで見ると悲劇で、遠くから見ると喜劇だ」を思い浮かべてしまいました。

住んでいる(住んでいた)人にとっては本当に大変なことなのに、国の対応はどこもかしこも余りにおろかで見るに耐えないです。おそらく、上から目線で見ると、何か理由があるのでしょうが(「CIAに言われたとおりに行動している」とか?)、著者のような現場の視点で見ると、まともには見えません。こういうときに、現場で修正したりフィードバックすべきなのですが、思考停止しているのでしょう。

他にも地方自治体の思惑で実際の汚染状況に関わらず「20km圏」や「30km圏」に入る、入らないが決まる、健康被害に関するさまざまなマスコミ報道のいい加減さなどなど、著者は「田舎は自然災害には強いが、権力と金に弱い。」と書いているが、まさにそういう事例には事欠かない。著者はそういう事例を一つ一つ、現場からの目線で描き出しています。

最後に、今も福島県に川内村に住み続けている著者の言葉を引用しておきたいと思います。

「頑張ろう日本、ではない。へんな方向に頑張ってもらっては、この国はどんどんひどいことになる。そうではなく、もうだまされるな!日本、と言いたい。」

このコメント、富士通総研のコラム「震災復興に向けた視点」とも呼応する物があると感じた。

2011年12月23日 (金)

放射性物質を含む瓦礫の拡散

放射性瓦礫の焼却が着々と全国で進めてられているようです。東京でも既に処理を開始しており、埋め立てと並んでとんでもない愚策が進行中です。

http://one-world.happy-net.jp/ukeire/

しかしながら、以下のような理由により健康上の被害が拡大する懸念が高く、断固として中止させるべきと考えられます。

・セシウムは沸点が671℃と低く、焼却すると全て気化する

(セシウム以外の放射性核種も付着していた物質の燃焼により微粒子かする可能性は高い)。

・このため、通常の集塵機では補足されない極めて小さい粒子となる可能性が高い。

・ドイツ放射線防護協会からも瓦礫の燃焼・埋め立てや高い食品基準と避難を阻止する政策に関しての危惧が示されています。

http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20111130/1322642242

2011年12月11日 (日)

発電方法比較

発電方法について、メモ書き程度ですが、簡単にまとめてみました。

こうしてみると、大気汚染と石油ショックのあった60-70年代に原発を作り始めたときは、火力発電の代替が必要とされており、一方で、原発の危険性や運用での大きな問題(作業者の被曝や使用済み核燃料、放射性廃棄物、そして事故が起きたときの対応)が(知っている人は知っていたけれども)広く認識されていなかったので、仕方のなかった選択だったのかもしれません。しかしながら、スリーマイル島、チェルノブイリ、福島、と繰り返した後で、以下のように他の技術が進歩している中では、残念ながら過去の間違った清算すべき間違いといわざるを得ません。やめるときが一番大変ですが、やめる決断が一番大事です。

1.石油・石炭火力
排煙脱硫(1973年~)、排煙脱硝(1977年~NOxを90%以上除去)、集塵(1966年~)と環境対応術が大幅に発展し、このおかげで都市部にも火力発電設備を作っても住環境に大きな影響を与えないようになった。

また、高圧化技術により、効率向上が図られ、30%台下だった効率が、43%まで向上している。

排煙脱硫
http://www.brain-c-jcoal.info/cctinjapan-files/japan/2_5B1.pdf

排煙脱硝
http://www.brain-c-jcoal.info/cctinjapan-files/japan/2_5B2.pdf

集塵
http://www.brain-c-jcoal.info/cctinjapan-files/japan/2_5B4.pdf

石炭に関しても、環境問題は石油以上だったが、技術の進展により、石油と同等に問題ないレベルになったうえ、資源の埋蔵量も豊富で安価あり、埋蔵量は理屈上は有限なため永久に使い続けられるものではないものの当面の需要に対応する方法としては有望。

2.LNG発電
LNGのよいところは、硫黄分を含まないため環境問題への対応が比較的容易なことと、そのままガスタービンを回せるため、ボイラー、タービンと組み合わせたコンバインドサイクルにすると効率が70%程度まで上げられること。

ただし、日本は近隣に生産地がないため一旦液化する必要があり、このため、高価なものとなることは欠点。

http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/5109042.html
http://www.inosenaoki.com/blog/2011/05/post-60d8.html

3.風力
羽の設計の技術革新により1MW級の風車が立てられるよ湯になった。最近はギアレス設計も可能となったということで騒音やメンテナンスの問題も軽減されるはずだ。
予想できるはずのない地震の分布なんか調べてないで、風力発電のための気象調査でもやったら良いのに、と思う。

4.太陽光
技術面はさまざまなところに資料があるので基本的に割愛。風力と同じで、ちゃんと気象調査したら、以外に太陽光発電に向いている場所が見つかるはずなので、原発みたいに土地利権からスタートせずにちゃんと適地に作ればよいでしょう。

5.原子力
最後に原子力。

原子力の最大の問題である、安全性や使用済み燃料の問題に関しては本質的な問題であるためか、とてつもない税金が(日本だけでなく欧米含め世界で)投入されてきたにもかかわらず40年間ほとんど何の進歩も見られていない。次のビル・ゲイツ氏の言葉が興味深い。

「原子力発電に関するよいニュースは、今までほとんど何の革新も行われていないということだ。これまでと違うやり方をする余地は非常に大きい」

http://wired.jp/2011/06/11/%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%84%E6%B0%8F%E3%81%8C%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E6%AC%A1%E4%B8%96%E4%BB%A3%E5%8E%9F%E7%99%BA%E6%8A%80%E8%A1%93/

でも、日本はこんなに原子力関連に予算を使って、仮にも「革新」を起こそうとして「もんじゅ」で失敗を繰り返した。
http://www.nuketext.org/mondaiten_yosan.html

残念ながら、ビル・ゲイツが「革新」と呼ぶ進行波炉も金属ナトリウムを使うので、とてもブレークスルーとは思えないですね。金属ナトリウムと水で熱の移動をさせることだけで(放射能がなくても)ハイリスクです。

エジソンの霊界通信機を思い出しました。ただしこれは、あっちからこっちに来るのではなく、こっちがあっちに行くことになる。

2011年11月20日 (日)

原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史

『原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史』
有馬哲夫 新潮新書 ISBN978-4-10-610249-3

機密文書から読み取った「歴史」が淡々とつづられているが、逆にいろいろなことがあぶりだされている。こういうのを見ると、過去は現在につながっており、同じことが今も繰り返されているとひしひしと感じる。


<重要点>
以下の点が重要と感じたが、どの状況も今も同じか見えにくくなり悪化している様だ。
1. 原発の導入にマスコミ(読売新聞、日本テレビ)とディズニー+CIAのプロパガンダが重要な役割を果たした。
2. 原子力発電所は、開発側が、そもそも極めて危険であることがわかっているのに商業化された(そのための「免責事項」)。
3. 日本では民間主体で賠償は国が主体という無責任体制を作り、危険性を増長させた。


<印象に残った箇所>
P41 アジアで(原子力平和関連の技術と支援を与える)援助の対象国に選ばれたのはトルコ、イラン、イラク、インド、パキスタン、フィリピンで、日本は除外されていた。最初の国と最後の国を除けば、いずれも現在核兵器の開発などでアメリカの頭痛の種となっている国々だ。その種は実はこの頃に自身が播いたものだったのだ。
 
p214...215
(1957年)12月27日になってイギリス側が突然「免責事項」を協定に入れるよう申し入れてきたのだ。これはイギリスが製造し、イギリスの原子燃料を使う原子炉で事故が起こっても、イギリス政府は一切責任を足らないというものだ。しかも、この「免責事項」には「原子力発電はまだ危険が伴う段階にあることを再認識して欲しい」という一文まで入っていた。かみくだいていえば、イギリスは事故を起こす可能性を持動力炉を日本に売るが、事故が起こっても一切責任はとらないのでご承知おき願いたいというのだ。
...
だが、日本の原子力委員会がいろいろ調べてみると、実は原子力関連の国際取引ではこのような免責条項が慣例になりつつあった。
 
P216
イギリスに変わって誰かが賠償責任を負わなければならない。その誰かは当然事業者のはずだが、民間
民間企業ではたとえ保険を掛けたとしても、原子力発電所の事故が引き起こす甚大な被害を賠償することはできない。これができるのは国しかいない。
しかし正力は河野と対決してまで民間主体を押し通していた。そうしなければ、自分を押し立てた電力業界の支持を失うからだ。
だが、賠償法作成においてこのことが障害になることは明らかだった。つまり、事業は民間主体なのに被害の賠償だけがなぜ国がしなければならないのかということだ。

2011年11月 6日 (日)

マンションの「電力会社」以外からの一括購入

マンションの「電力会社」以外からの一括購入について調べてみました。

どういうわけか、広く知られていませんが、今の仕組みでも、ある程度の規模があれば、東京電力などのいわゆる「電力会社」以外から電気を買えます。そして、予想通り、電気料金も安くなりますので、一石二鳥です。

将来的にソーラーや燃料電池や蓄電池などを導入するときも、この仕組みを作っておけば設備がシンプルになり(例えばコンディショナーや蓄電池などまとめて数機で済む)ため設備費やメンテナンス費用が安くなるでしょう。

1.高圧電源

まず、現状の法規制では、高圧(6000V)での引き込みであることが必要です。このためには、ある程度の規模=50kW (100Vで500A相当) 以上が必要となりますので、まず、マンションの戸数などの確認が必要です。
http://www.k-ban.net/setubi/denki.html

2.マンション電力一括契約サービス会社

この高圧にできる規模であれば、次の会社が設備含めた相談に乗ってくれます。あまり面倒な手続きも要らない感じです。
・中央電力 http://www.denryoku.co.jp/service/index.html
・日本電力 http://www.jepsx.jp/personal/system/index.html
・NTTファシリティーズ http://www.ntt-f.co.jp/service/powersupply_sol/
・アイピーパワーシステムズ http://www.ipps.co.jp/merit/index.htm

3.発電事業者

電気は発電設備を持っている「特定規模電気事業者」から買うことになるのでしょうが、一括契約サービス会社が全て実施する場合は気にする必要が無い(し選べない)ようです。
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/genjo/pps/pps_list.html

他の地区の例で恐縮ですが、次のリンクも参考になります。
http://www.switch-j.com/jiyuuka.html
http://www.asagaotv.ne.jp/~hqi00714/pdfs/s2_3_1.pdf

4.一戸建て

一戸建てやコンビニなどに関しては現時点で自由化されていません。
マンションのように一括契約する会社を通せば実務上、高圧でなくても問題ないはずなので、自由化されないのはおかしいですね。

『原発事故を問う』 七沢潔著

『原発事故を問う』 七沢潔著
岩波新書 ISBN4-00-430440-7
良書です。1995年の「もんじゅ」ナトリウム漏れ事故を背景に、チェルノブイリ事故の状況を題材に原発事故とはどのようなものか、技術的・医療面のみならず政治面にも切り込んでいます。この分量の書籍なのに内容が非常に濃いです。
まず読んで思ったのが、チェルノブイリの(特に政治的な)状況があまりに「福島」と似ていて、東電や官僚がチェルノブイリ事故を反面教師にするのではなく、「お手本」にしたのではないかとさえ疑いを持つほどです。実際には、人間の愚かな行動はみな似てくるということなのかもしれませんが、そうだとしても非常に悲しいことです。
例えば、パニックを恐れて事故を隠す、事故以前に提言されていた安全性向上のための改良は採用されなかった、距離だけで避難場所を決めたため避難した場所も重度の汚染地帯だった、被爆者の数を少なく見積もるため被爆者として診断されない、被曝の現実を直視せず「放射線恐怖症」と言うなどです。
著者はNHKディレクターでしたが、いまは「放送文化研究所」というところにいらっしゃるようで、NHKの体質も良くわかります。
以下は気になった箇所の引用です。
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p140
レガソフソ連科学アカデミー会員「この原子炉に起こった惨劇と並んで、原子炉のこの驚くべき耐久性、生き残ったその力を見ていただきたいと思います」

p192-193
西ドイツ社会民主党シェーファー議員「端的に言えば、1950年代から70年代まで、わが党も含めて多くの人々は技術の進歩が全ての人類の進歩を可能にすると信じきっていたんです。『数キログラムのウランがあれば、ゴビ砂漠も南極大陸も利用可能な土地になるだろう』といった進歩主義的思想が全盛だったのです。しかし、政権を担当していたころから党内の一部にあった原子力懐疑論が、ついにチェルノブイリ事故によって正しい予見であったことが立証されてしまったのです。
私たちは、原子力の持つ三つの危険性について見誤っていたことに気づきました
第一に、原子力システムには絶対的な安全性が確立されていないこと。そして万が一の大惨事が起きた場合、膨大な数の人命が脅かされ、居住不可能の土地が生まれ、またはっきりとした影響も定かでない遺伝的影響があらわれてしまいます。
第二に、放射性廃棄物の処分法が確立されていないこと。今後何千年も確実に安全に保管しなければならないという課題が、以下に困難であるかは、キリスト生誕以来二千年の人類史が教えてくれます。
第三に、原子力の軍事利用と民生利用をはっきり区別することの困難さです。民生利用という迂回路をとって核兵器を調達したインドやパキスタンがいい例です。
以上の三つの危険性に加えて、原子力はエネルギー利用効率が低く、また事故による損害賠償が加われば、決して経済的なエネルギーではないということが明らかになってきました。つまり、いずれは解決されるだろうと思っていた問題点が三十年も経たいまも解決されず、またメリットと思っていたものがそうではなくなったことが、わが党が原子力からの撤退を決める最大の動機になったのです」
p195-196
西ドイツ ライン・ヴェストファーレン研究所(WRI)報告書(1986年8月)
ハレイマン博士「国民の大多数が原発の安全性に疑問を持ち、負担を覚悟で脱原発を望むのなら、一つの選択肢として用いてきたにすぎない技術に国が長期的に固執し続けるのは不可能だ」代替エネルギーとして石炭火力を用いる場合の環境への不可も、公害規制技術の進歩により解決できる。

p217-218
それは、「一極集中と過大な過疎」という、戦後の日本国家の国土計画の失敗の結果だった。そして国家は、みずからの失敗の結果としての「地方の貧しさ」を利用して、原発の立地を推し進めようとしている。それによって苦しむのは原発の作り出す巨大な電力とは縁もゆかりもない小さな村の人々なのである。

p236
86年6月当時、ソ連保健省は、チェルノブイリ事故により急性放射線症となった人数を187人と好評、全て原発作業員や警察、消防隊関係者で避難民など住民はふくまれていない、としていた。その後、情報公開が進むにつれ、保険省が現地の医師たちに通達した指示(*注:放射線障害の患者に「神経血管疲労」と診断すること)が、実は被爆者の数を少なく見積もるためのいわば「被爆者隠し」だったのではないかと批判を浴びるようになった。

p238-239
91年5月のIAEA
「汚染地域の住民のあいだに、チェルノブイリ事故による放射線の影響は認められない。ソ連政府の出したデータはおおむね正しく、取られてきた汚染対策も妥当である。ただし、避難と食物制限については、放射線防護の観点から必要な範囲を超えており、もう少し緩和すべきである」というものであった。汚染地帯の住民が陥っているのは「放射線恐怖症」という心理的な病であり...

p270
アメリカ・エネルギー省のチェルノブイリ事故調査チームの主任エドワード・パービス博士
水素爆発にはそれだけの破壊力はない。水蒸気爆発だが...しかしそれでは壁は破壊されず...
「急激な反応度の投入をきっかけとして、核燃料の気化と膨張が起こったなと思いました。つまり核暴走の結果、冷却水が蒸気となって放出され、水がなくなった状態で核燃料の内部で気化が進み、それが一気に爆発的に膨張することで、こなごなに吹きとび、強い衝撃波が原子炉周囲の厚い壁をつき倒した、と考えたのです。」

p275
チェルノブイリ原発事故は、予想を越えた事故だといわれた。しかし、その予想とは、科学という言葉のもつ本来の意味とはほど遠い、きわめて政治的な思考によって作られた原子炉の神話のようなものでしかなかった。事故の原因となった原子炉の欠陥は、ソビエト体制の維持のために事故以前も事故以後も秘密にされてきた。そして、原子炉が完全に破壊されるような暴走事故などありえないと予想されてきた。事故によって何が起こったかについても今に至るまで世界が真剣に調査し議論をし尽くしたとは言いがたい。事故を起こした大背景となった<科学の政治化>が、事故から十年たった今も、原子力を取り巻く世界を覆っているのである。
 

2011年10月27日 (木)

「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」等に対する意見の募集

「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」等に対する意見の募集

またこういう重要な方針に関するパブリックコメントがこっそりと募集されていました。以下のような内容を送りましたが、もう残念ながら〆切は終わってしまいました。

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今回の、対応はいくつかの点で、大きな問題があります。


多くの場所では放射能汚染が継続していること、汚染の程度が甚だしく人が長期的に居住できるレベル(0.1マイクロSv/h)までの除せんは困難なこと、極めて大量の廃棄物の発生が予想され処理が困難であることから、20mSv/年以上の場所は除せんではなく避難を第一とすることが適当。
該当地域は福島県のほぼ全土と、北関東の群馬茨城千葉東京各々の一部を含むことになる。


今の廃棄物処理設備は放射性物質を想定したものではなく、焼却により、拡散する恐れがあること、排気ガスにより拡散した放射性物質は肺から吸収され内部被爆によりより被害を深刻化させる恐れが高いことから、放射性汚泥・瓦礫を処分する専用の設備を建設してそこで処分すべき。
福島原発の爆発事故の処理のあと、各原発の廃炉が予定されており、設備は無駄にはならないので、建設すべき。
自治体では、既に通常のごみ焼却灰でも放射能が含まれているが排ガスの放射性物質濃度は適正に測定管理されておらず、灰の処分も放射性物質に準じておらず適正とは言えない。
さらに、通常のごみ焼却倍よりも高濃度の排水汚泥焼却灰に至っては完全に放射性物質として管理すべきレベルのため、処分ができず、国が集中処理設備を作るべき状況にある。
このような中、各自治体に除せんで生じた放射性廃棄物を処理させようというのは極めて問題である。
そもそも、放射性濃度の高い場所から除せんのため除去したものを、放射性物質濃度の低い場所で処分するというのはこれまで国が電離則などで施工してきたことと真っ向反する考えであり、理解しがたい。


また、指定廃棄物の処理を各自治体に任せるような記述があるが、放射性物質を拡散させる原因を作ったのは東電と国であり、電離則に記載の通り、拡散させたものが責任をもって対応すること。


放射性物質の廃棄物のリサイクル品は放射性物質の各種がウラン、プルトニウムなど様々におよび長期の安全性が保証できず危険性が高いため、廃炉作業のみに使用するなど、一般での使用は避けるべき。



まとめると、以下の通りとなります。

・20マイクロSv/年以上の場所は避難
・除せんにより生じたごみ、がれき、都市部のごみ焼却倍、排水汚泥焼却灰など、放射能が電離則の放射性物質該当のもには全て福島原発金号に新たに放射能対応の焼却設備を作り集中処理する。
・運搬費用含め、全て東電および国が負担すること。
・このような対応を国に強いた東電は破綻処理すること。

以上

«『国家は破綻する』 "This time is different"